ジオベスト土舗装の品質管理
■土の含水比試験
土は、土の粒子と水、空気から構成されている。よって、土の含水比とは、土に含まれる水分と土の比を表したものです。
土の含水比試験は、自然状態の土の重さを量った後、水分を蒸発させて土粒子の重さを量って、土に含まれていた水分量を求めます。
土質試験の中では最も基本となる試験であり、試験方法としては、「乾燥炉」、「電子レンジ」を用いるが、これらの器具を施工現場に持ち込めないので、下の写真のように、真砂土等の材料の搬入時に、カセットボンベ、鍋、体重計等を現場に持ち込んで現場で測定し、含水比の確認します。
圧縮強度は、固化材添加率の増加に伴って圧縮強度が大きくなっていくが、含水比の変化に依存する傾向が強く、加水量や散水量は、「JIA A 1210 突固めによる土の締固め試験」によって得られた最適含水比よりも数%乾燥側で管理するとよいといえます。
含水比が大きくなると、圧縮強度が下がるので、最適含水比よりも多い土の場合は、曝気して乾燥してから使用するようにします。
■一軸圧縮強度試験
ジオベストと混合する土については、同じ真砂土でもシルト分の多い粘土質のものや砂質系の真砂土など、さまざまなので強度も異なります。
よって、真砂土といえば全て同じという判断をするのは危険です。一般的に砂質系のものの方が強度発現するが、シルト分がない方がいいかというとそれも違い、一定の割合で含まれている方が強度も出ます。
土舗装の強度は、粒度分布や含水比、地質によって変わるため、事前に配合試験を行うことで、強度の確認をする必要があります。
また、耐久性は土質材料とジオベストの添加率によって、大きく影響を受けます。
設計強度を満たすジオベストの添加率を求めるための試験が「設計配合試験」です。
強度は、粒度分布や含水比、地質によって変わりますが、弊社では固化材添加量15wt%の時の土舗装としての合格ラインを1.5N/㎟以上としています。大抵の場合、2.0 N/㎟程度の圧縮強度となりますが、下記の規格値に満たない場合、配合する土に改良を加えるか、添加率を変更する必要があります。
■貫入試験
土系舗装の目標性能については、独立行政法人土木研究所の著書では、養生完了後、60ポンド以上と記載されております。これは硬さ=ハイヒールを履いた歩行者の荷重に対する耐久性ですが、プロクターニードル貫入試験機の場合、一定の太さの金属棒を地面に貫入させた時の抵抗から土の硬さを判定します。
弊社の場合、プロクターニードル貫入試験機がない場合、山中式土壌硬度計を使用しており、この硬度計は、建設的土木施工、例えば河川ダムの築堤、路線の盛土等の土壌の圧蜜施工に対する安全基準値を決めるテスターとして活用されています。この硬度計は、プロクターニードル貫入試験機と同様に、土壌断面に垂直にコーンを圧し込むとその抵抗値から支持力が測定できます。こうした測定機を用いて、硬さの測定を行っています。
その場合、同じ酸化マグネシウム固化材でも硬化スピードが異なるので、慎重に養生後の測定日を決める必要があります。
■ヒメダカ急性毒性試験
ジオベストは、安全性を証明するために、各種の試験を行っています。ヒメダカ急性毒性試験もその1つです。
ヒメダカ急性毒性試験は、化学品、洗剤、工業廃水などにおける安全性確認や環境に対する影響の評価を行なうことができる検査項目です。ヒメダカは観賞魚で、クロメダカに比べて環境に弱く飼育が難しい魚ですが、ジオベストで固めた土舗装の中で生息させても、ヒメダカの生存率は100%でした。
(一般財団法人化学物質評価研究機構:試験番号95185)
■ラットを用いた単回経口投与毒性試験
ラットへ強制的にジオベストを食べさせて、ある一定期間の観察を行うものです。その後、麻酔をかけられ、解剖され、内臓を検査されます。この試験で、ラットは初日、ジオベストで下痢をしたそうですが(人間の飲む薬に下剤がありますが、おなじ酸化マグネシウムが原料なので。)、翌日には元気になりました。
結果はどちらもすべてカテゴリー5。安全側の最大評価ということになりました。
ジオベストは土舗装固化材に強アルカリ性のセメントを使用せず、pH値だけでなく、成分などの面でも生物に負荷を与えないように安全性を確認しています。